紀伊風土記の丘・秋期特別展「律令国家成立前夜」

和歌山県和歌山市岩橋にある紀伊風土記の丘で2023年9月30日(土)~12月3日(日)にかけて、「律令国家成立前夜」の特別展示が開催中です。日本が律令国家へ向かう6~7世紀の社会変化を、古墳や遺跡から発掘した考古資料から読み解く内容となっています。

展示期間中にはさまざまな講座や解説が行われます。

 

私は10月14日に行われた学芸員さんによる解説を聞きに行ってきました。出土した考古学資料がどのような意味や時代背景を示すものなのかを丁寧に教えていただきました。

大和政権では古墳を築く際に阿蘇や兵庫からわざわざ石を運ばせていたんですね。これはそれほど遠い土地から優れた石を取り寄せることができるという権力誇示の意味があったのでしょうか。

また、継体天皇以後、奈良に中央集権的な政府が成立するようになると、紀伊の国にも岩橋の東に入植してきた人たちがいたようで、彼らの古墳は岩橋型の古墳とは異なる様式を持っているようです。

県内にも各地にある「丹生〇〇」神社の丹とは、水銀のことで、こうした神社は水銀が採れる場所やそれに関連する神社なのだそうで、石棺や石室に塗る朱色に用いられていました。