紀伊風土記の丘・秋期特別展「律令国家成立前夜」

和歌山県和歌山市岩橋にある紀伊風土記の丘で2023年9月30日(土)~12月3日(日)にかけて、「律令国家成立前夜」の特別展示が開催中です。日本が律令国家へ向かう6~7世紀の社会変化を、古墳や遺跡から発掘した考古資料から読み解く内容となっています。

展示期間中にはさまざまな講座や解説が行われます。

 

私は10月14日に行われた学芸員さんによる解説を聞きに行ってきました。出土した考古学資料がどのような意味や時代背景を示すものなのかを丁寧に教えていただきました。

大和政権では古墳を築く際に阿蘇や兵庫からわざわざ石を運ばせていたんですね。これはそれほど遠い土地から優れた石を取り寄せることができるという権力誇示の意味があったのでしょうか。

また、継体天皇以後、奈良に中央集権的な政府が成立するようになると、紀伊の国にも岩橋の東に入植してきた人たちがいたようで、彼らの古墳は岩橋型の古墳とは異なる様式を持っているようです。

県内にも各地にある「丹生〇〇」神社の丹とは、水銀のことで、こうした神社は水銀が採れる場所やそれに関連する神社なのだそうで、石棺や石室に塗る朱色に用いられていました。

カレーとラーメンと古墳と

驚きました。ぶらくり丁大通りに来てすでにあちこちに人が。車は普段からたくさん行き来する道ですが、歩行者は土日祝日でもそれほど多くはならないエリアなのです。私も他の方々も目的は一緒。ぶらくり丁一帯でこの日開催された「POWER OF わかやま」です。

和歌山の有名なラーメンやカレーのお店が出店したり、ライブ、家族向けのイベントなど盛りだくさんの内容でした。

なかなか機会がなかったり少し遠いお店のグルメが食べられると、私も楽しみにしていました。

共通チケットを2枚購入して、カレーとラーメンを1食づついただくことにしました。国民食の2つをしかも有名店のものを食べられるなんて贅沢です。

まずは紀ノ川町にある「熊月堂」さんのチキンカレーをいただきました。決してしつこい味ではないのに、さまざまな具材が凝縮されたルゥがとてもおいしい。香りも食欲を増進させます。ナンも噛むのが楽しくなるお味と弾力でした。

2食目は和歌山市の「丸田屋」さん。和歌山出身のhydeさんがライブの差し入れをしたというSNSの投稿からさらに人気が上昇しているラーメン屋さんです。

豚肉中華そばにサービスのキムチもいただきました。私にとっては、和歌山に移住してきて最初に食べた和歌山ラーメンです。醤油ラーメン寄りの豚骨醤油ラーメンで、とても食べやすくどんどんすすりたくなるお味です。和歌山県内に4店舗展開しています。

おいしいランチに満たされて、エネルギーも充電されたところでバイクを飛ばして紀伊風土記の丘にやってきました。先日申し込んだ、連続講座の1つを受講するためです。

内容は「囲形埴輪について」「岩橋型石室からみた岩瀬千塚古墳群の展開」「埴輪生産からみた王権と紀伊」でした。私にとっては専門的に感じられる内容ばかりでしたが、他の参加者の方はさすが風土記の丘でボランティアをされていたり本当に古墳が好きであったりするので、質問の内容も細かいなと感じました。それでも、これから学べる内容がまだまだたくさんあるというのはわくわくします。

充実した日曜を過ごせたのですが、ラーメンの行列に並びながら、ぶらくり丁の隅から隅まで人がいる状態は、市立博物館にある1950年代の写真を思い出しました。これほどまでとはいかないまでも、イベントがない日でも人がもう少し行き来するようになったらいいのにと思わずにはいられませんでした。ぶらくり丁でのイベントは毎週のように行われていますが、これほどまでの人出は初めて見ました。和歌山市の各商業団体が協力して力を尽くされた結果なのだろうと思いますが、PRも私の知らないところで大々的に行われていたのでしょう。飲食の有名店の力も大きかったはずです。

それでも、少しづつだけど空きテナントも減ってきて、平日もコロナ禍のころよりは歩行者や自転車を乗った人がぶらくり丁を通るようになっているようにも思えます。一気に問題を解決しようとすればきっと無理が生じるでしょうし、ちょっとづつ活気が出てくれば嬉しいと一市民として思う日でした。