室山古墳群
和歌山県海南市の黒江にある古墳群です。大山（尾山）という小高い丘に7つの古墳が点在していて、そのうちの2基が開口した状態になっていて、中の様子を見ることができます。
1号墳は全長7メートルの石室で、玄室ー通廊ー通廊扉石ー前室ー前室封鎖石で構成されています。大山にある緑泥片岩を割った石を積み上げ、最高3メートルの広い玄室を支えるために石室上部空間を4本の石梁で補強し、さらに前後を通廊天井石と奥壁の石棚を使用しています。出土遺物は、坏身1個、坏蓋2個、壺蓋2個、長頸坩1個、鉄鏃6本。
2号墳は玄室ー通廊ー羨道の構成で、玄室は約2.8メートル、幅約1.8メートル。緑泥片岩でできていて、玄室の上部空間を2枚の石梁、前後の通廊天井石と奥壁の石棚で支えています。玄室左右の壁面を上中下の3面に等分し、それぞれの面の境には、長く大きい割石を並べるなどの工夫が凝らされています。出土遺物は須恵器の台付き壺の脚部と碧玉製管玉がそれぞれ1個。
その他、岩橋型横穴式石室を持つ5号墳や、2基の竪穴式石槨を持つ4号墳などもあります。